研究課題/領域番号 |
11694014
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
|
研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 (2001) 東京国立文化財研究所 (1999-2000) |
研究代表者 |
渡邊 明義 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 所長 (00249913)
|
研究分担者 |
津田 徹英 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 研究員 (00321555)
早川 泰弘 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (20290869)
三浦 定俊 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
淺湫 毅 京都国立博物館, 学芸課, 主任研究官 (10249914)
中村 康 京都国立博物館, 学芸課, 文化財管理官 (30249916)
佐野 千絵 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (40215885)
斎藤 英俊 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (30271589)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
21,490千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 1,890千円)
2001年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
キーワード | 絵画 / 彫刻 / 彩色 / 保存 / 顔料 / 分析 / ドイツ / 美術史 / 修復 / 文化財科学 / 国際研究者交流 / 彩色文化財 / ポータブル蛍光X線分析 / 光学的方法 / 彩色木造彫刻 / 中世彩色木造彫刻 / 蛍光X線分析 / 材質分析 |
研究概要 |
彩色文化財の技法と材料について、日本とドイツの美術史研究者、伝統技術者、自然科学者が共同して研究調査を行った。研究期間中は互いの研究者が双方の国を毎年一回ずつ訪問し、あらかじめ選定しておいた現地で詳細な調査を行い、シンポジウムを開催し討議を行うなどして研究をすすめた。研究対象は、ドイツ側では主に南ドイツ(バイエルン地方)の中世彩色木造彫刻を取り上げたが、日本側では彫刻に限らず、絵画、工芸、建造物など広く関心を持って調査を行った。また彩色文化財そのものだけでなく、彩色に用いる顔料の製造工場や、金箔工房など、また各地の修復工房や作業現場でも調査研究を行い、彩色材料やその技法、修復技術への応用などについても相互の理解を深めるようにした。顔料分析については、ドイツにおいてはサンプリングによる試料の分析を積極的に行ったが、わが国の文化財については試料採取が困難なために、現場で試料を採取しないでそのまま顔料分析できるポータブル蛍光X線装置を開発した。この手法は対象作品表面からの測定になるため、彩色層に顔料を混合して用いているのか複数の顔料層か分析結果からだけでは判別できないが、実体顕微鏡を用いた観察と組み合わせることによって、確度の高い情報を得ることができた。本研究を通して、報告書に示すように多くの研究成果をあげることができた。一例としては、源氏物語絵巻物の顔料分析を初めて行い、白色顔料に従来想定されていた鉛を含む白色顔料(おそらく鉛白)だけでなく、カルシウムを含むもの(おそらく胡粉)、軽元素しか含まないもの(おそらく白土)、それにこれまで知られていなかった水銀を含む顔料の4種類を用いていることや、日本の彫刻彩色に緑色顔料として岩緑青以外に、砒素と銅を含むものや軽元素だけの顔料を用いていることを、初めて明らかにしたなどをあげることができる。
|