研究課題/領域番号 |
11694018
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
|
研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 (2001) 奈良国立文化財研究所 (1999-2000) |
研究代表者 |
町田 章 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 所長 (90000471)
|
研究分担者 |
田中 淡 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90000306)
沢田 正昭 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20000490)
林 功 愛知県立芸術大学, 助教授
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
16,820千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 1,620千円)
2001年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | 壁画 / 唐代 / 保存修復材料 / 彩色顔料 / エポキシエマルジョン樹脂 / 転写 / 赤外線リフレクトグラフィ / バッキング材料 / 保存修復 / 熱可塑性合成樹脂 / エポキシエマルジョンタイプ / 顔料 / 非破壊構造調査 / 壁画壁体 / 唐代古墳 / 輸送 / X線CT / 暴露試験 / 補強 |
研究概要 |
唐代壁画資料の転写・輸送・保存修復のための基礎データの収集をおこなうと同時に、関連する麦積山や天梯山、柄霊寺などの壁画・塑像資料についても日中共同で現地調査を実施した。中国では、古墳壁画については現地保存が困難で、その多くは現地において転写・輸送され、博物館等において保存修復されている。従来から転写材料として天然高分子材料が使用されていたが、転写前の剥落防止等の事前処置に熱可塑性合成樹脂等を適用することによってより緻密な転写が可能となった。また、転写後の保存修復に用いるバッキング材料は、石膏やFRPが一般的であったが、壁体構造の研究からより湿度環境に対して緩和能力に優れた素材の開発をおこなった結果、エポキシエマルジョン樹脂(サイトFX)に土を混合した素材が、より壁材に近い性質を有することが明らかになった。本研究において、これらのバッキング材料を使用して壁体を復元し、高松塚西壁女子群像や馬球図(映西歴史博物館所蔵)の復元模写を実施し、同時に古代描画法についても検討を加えた。これらの修復材料は、炳霊寺涅槃塑像の欠損部の復元にも利用された。 本研究において、壁画資料に赤外線リフレクトグラフィによる調査を実施したところ、内モンゴルの大召寺壁画の彩色下層より文字記号が発見された。これは古代壁画制作技法を解明する上では貴重な発見である。これらの成果が発表された後、中国国内から、相次いで同様な文字記号が発見されだした。 また、同時にこれらの壁画よりスマルトが発見されたことも、中国における輸入顔料の歴史的な変遷を知る上では重要となった。
|