研究概要 |
本プロジェクトは、国際学術協同研究としてスタートしたものである。本プロジェクト中に二重変調法がほぼ確立した。それによりHOC^+,CH等のサブミリ波スペクトルが観測された。University of Waterlooとの共同研究の結果TiClのサブミリ波スペクトルの検出に成功した。サブミリ波スペクトルから得られた、分子定数に基づいて予測された最低回転遷移を東京大学遠藤研究室と共同でフーリエ変換マイクロ波分光器を用いて検出した。サブミリ波スペクトルでは分裂して観測されなかった超微細分裂が観測され、不対電子の分布に関する情報が得られた。サブミリ波,フーリエ放出電子スペクトルの結果を全て含めて再解析を行い、従来求められなかったスピン軌道相互作用定数、スピンースピン相互作用定数などをあらたに決定した。 HCNH^+の解離性再結合反応分岐比の決定は本研究室のここ数年来の研究テーマである。中性化反応生成物、HCNおよびHNCを光イオン化あるいは、エネルギー制御された電子ビームイオン化によりHCN,HNCを個別にモニターする可能性についてCalTechのOkumura教授と検討を重ねた。本年3月に天埜がCalTechを訪れ具体的に実験装置を前にして検討を加え、本プロジェクトは何らかの形で継続することを確認した。Okumura教授とはCH_5^+,D_5^+の赤外分光による精密測定についても共同研究を推進する予定である。
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