研究課題/領域番号 |
11694058
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (90220011)
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研究分担者 |
川本 辰男 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (80153021)
駒宮 幸男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80126060)
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (60272465)
真下 哲郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (60181640)
折戸 周治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10092173)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
2000年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1999年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 電子・陽電子衝突 / LEP-II / OPAL / 鉛ガラスカロリメタ / 標準理論 / Wボソン / ヒッグス粒子 / 超対称性理論 |
研究概要 |
最高エネルギーの電子・陽電子衝突装置LEPは平成8年にエネルギー増強プログラムLEP-IIを開始し、最高エネルギーをつぎつぎに更新してきた。平成11年には202GeVに到達し、平成12年には更にエネルギーを押し上げるためのあらゆる手段が講じられ、当初の予想を上回る209GeVを達成した。OPAL測定器は安定に稼働し高い効率でデータを収集した。東京大学が建設し運転を担当している鉛ガラスカロリメターは高性能を維持し質の高いデータを記録した。これら大量のデータを最大に生かすため、測定器の性能チェックや較正を行い、物理解析の改良や新しい角度からの解析を進めてきた。 この2年間にOPAL実験は約8000のW粒子対生成事象を記録した。この大量のデータを使ってW質量の精密測定など、Wの物理を究極の精度で行うため研究を進めている。LEP-IIの広いエネルギー領域にわたって標準理論の予言をあらゆる角度から検証することは基本的に重要である。これまでの解析の結果、標準理論は非常によく成り立っていることがわかった。同時に標準理論からの小さな「ずれ」を生むかもしれない新物理の可能性について多くの厳しい制限を得た。最高エネルギーでの実験の最大の興味は新粒子や新現象の発見である。ヒッグス粒子の探索はエネルギーの増強により更に重いヒッグスまで探索の範囲が広がった。今のところOPALのデータだけからは明白な信号はみつかっておらず、約110GeVより軽いヒッグスの可能性を棄却した。LEPの4つの実験の結果を合わせて更に感度を上げる努力も行われている。また、超対称性理論が予言する新粒子群などを系統的に探索した。それらの兆候はみつかっていないが、理論の未知のパラメータに関して厳しい制限を得た。この2年間でのOPALグループはこれらの研究成果をまとめた論文を約60編発表した。
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