| 研究概要 |
(1)Ceモノプニクタイトの異常磁性の研究:少数キャリアーによる特異な物性を示すCe-モノプニクタイトの,約2.5GPa以上の超高圧下の中性子散乱実験を可能とするため,サファイア・アンビル型の高圧試料容器の開発を行い,テスト実験により約8GPaの圧力の発生を確認した.また,GeSbについて約5GPaの圧力下で,新しい磁気相を見いだした.さらに,原研,フランスLLB研究所において,CeSbのフォノンの測定を継続して行ない,通常のファノン以外にこの系の異常磁性に対応すると思われる,新しい励起を見いだした.(2)Yb_4As_3の電荷秩序状態の研究:Yb_4As_3の電荷秩序状態における,Yb^<3+>1次元鎖の特異な量子状態を調べるため,原研,フランスLLB研究所においてより詳細な偏極中性子散乱・磁場下の中性子非弾性散乱の実験を行った.その結果,電荷秩序は当初の測定結果に比べより完全に近いこと,また磁場により,磁場励起に異常なギャップが生じることが明らかになった.(3)TmTeに関しては,これまで圧力下の絶縁体-金属転移にともなった強磁性の発生とその消滅過程が観測されていたが,本年LLB研究所において行われた中性子回折の実験において,より高圧の6GPaにおいて新たに反強磁性が発生することが発見された.(4)スクッテルタイト化合物PrFe_4P_<12>に関して,極低温で,Pr化合物としては希有な,重い電子状態を比熱およびdHvA測定により見出した.
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