研究課題/領域番号 |
11694110
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
勝又 紘一 理化学研究所, 磁性研究室, 主任研究員 (90002104)
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研究分担者 |
山崎 展樹 理化学研究所, 磁性研究室, 研究員 (00271528)
田中 良和 理化学研究所, 磁性研究室, 先任研究員 (90250109)
萩原 政幸 理化学研究所, 磁性研究室, 副主任研究員 (10221491)
松田 雅昌 理化学研究所, 磁性研究室, 研究員 (90260190)
中村 哲也 理化学研究所, 磁性研究室, 基礎特別研究員 (70311355)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1999年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 量子磁性体 / 擬一次元反強磁性体 / ハルデン効果 / スピン梯子 / 磁場誘起相転移 / ESR / 磁化過程 / 磁気励起 |
研究概要 |
我々が発見したスピン量子数1を持つ擬一次元反強磁性体の磁場中相転移現象に関し、Ni(C_5H_<14>N_2)_2N_3(PF_6)(NDMAPと略称)について試料振動型磁化測定装置による高磁場中での磁化測定を行い、低温、高磁場中での磁気秩序状態についての知見を得た。この物質について、広い周波数・磁場の範囲をカバーする電子スピン共鳴装置(ESR)を用いて磁気励起を測定し、低温・高磁場において反強磁性共鳴信号の観測に成功し、磁気秩序が確かに誘起されていることを示した。NDMAPについて、超低温度、高磁場中での中性子散乱実験を行い、磁場誘起磁気長距離秩序に伴うブラッグ散乱の観測に成功した。磁場をかける結晶軸方向により、磁気秩序が3次元的になったり、2次元的になるという興味深い現象が見られた。 理論家との共同研究により、スピン1を持つ擬一次元ハイゼンベルグ反強磁性体の磁場対温度相図の解析を行った。一イオン型異方性が存在する場合、磁場をかける方向によりスピン相関の磁場依存性が異なり、無秩序相と磁気長距離秩序相との境界線が異方的になることが分かった。これは、NDMAPにおいて以前に我々が実験的に観測した事実をよく説明する。 スピン梯子と一次元鎖が共存する物質La_6Ca_8Cu_<24>O_<41>単結晶を育成し中性子散乱法により磁気励起を調べた。梯子からの磁気励起信号の観測に成功し、初めて、ブリルアンゾーンの広い領域にわたってスピン梯子の磁気励起の分散関係を求めることが出来た。この結果について理論的研究を行い、梯子の脚と横木方向の相互作用だけでは分散関係を説明できず、4体の相互作用を導入すると現象が矛盾なく説明できることを示した。その他、多くの量子磁性体を合成し、その磁性を研究した。
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