配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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研究概要 |
1.キャビテーション噴流試験装置およびX線回折式応力測定装置を用いて,ステンレス鋼,ばね鋼,合金工具鋼,炭素鋼にキャビテーション噴流を噴射することにより,各種材料に圧縮残留応力が導入できることを実証した。また微小領域の硬さを計測することにより,表面改質を定量評価できる可能性を示した。 2.キャビテーション噴流により炭素鋼の耐食性が向上し,同時に圧縮残留応力が導入できることから,キャビテーション噴流により,炭素鋼の機械強度と耐食性を同時に向上させるハイブリッド表面改質が可能であることを示した。 3.ノズルスロート長さやノズルスロート入口形状を種々に変えて流量係数を計測した結果から,表面改質の再現性の観点から,シリンドリカルノズルが最適であることを明らかにした。 4.キャビテーション気泡の崩壊衝撃力を計測するセンサを製作して計測した結果,キャビテーション気泡の崩壊衝撃力は,キャビテーション噴流の噴射圧力と被加工物を設置する水槽の圧力により制御できることを明らかにした。 5.未処理材やショットピーニング処理した試験片に比べて,本表面改質により疲労強度が向上することを実験的に実証した。 6.流体現象であるキャビテーションは,非加工面形状に強く依存するので,歯車などの表面改質を目的として,材料と流体の両分野の観点から表面改質の最適条件を探求した。歯車にキャビテーション噴流を噴射して,歯面の残留応力をX線回折式応力測定装置により計測した結果,歯底に圧縮残留応力を導入できることを明らかにした。 7.本表面改質法で処理した試験片表面性状の計測により,表面粗さおよび残留応力が,上記の疲労強度向上のための最適処理時間の主因子であることを明らかにした。すなわち,ハイブリッド表面改質層をX線による残留応力の計測および表面粗さ計による表面粗さにより定量的に評価できる可能性を示した。
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