研究課題/領域番号 |
11694122
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小濱 泰昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (60006202)
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研究分担者 |
菊池 聡 (菊地 聡) 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40312665)
渡部 英夫 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10006190)
樋口 博 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (00312661)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,890千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 1,290千円)
2001年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 三次元境界層 / 次世代航空機 / 抵抗軽減技術 / 遷移点計測 / 境界層制御 |
研究概要 |
次世代の航空機には、省エネルギー、低騒音といった自然環境に配慮した特性が求められている。それらの課題を具現化するためには、翼および機体表面における流体摩擦抵抗を軽減することが要件であり、翼面における摩擦抵抗を減らすために種々の境界層制御技術が提唱されている。本研究は境界層制御技術開発の基礎となる後退翼上面に発達する三次元境界層の乱流遷移機構のメカニズムを解明し、乱流遷移を遅延するための境界層制御を開発することを目的として行ったものである。その結果、以下のような研究実績が得られた。 1.横流れ不安定性のある流れ場では、横流れ不安定により発生するストリークによりスパン方向の強い速度差が発生し、その速度差により乱流遷移することが明らかとなった。 2.横流れ不安定性のある流れ場に、初期成長となるストリークに対しデバイスを強制的に設置することにより、スパン方向の強い速度差を緩和し、乱流遷移を遅らせる受動的制御に成功した。 3.グルトラ不安定性の場合二次不安定性として、加速流ではサイノスモードが、減速流ではバリコスモードが卓越することを確認した。 4.後退翼モデルに、乱流遷移過程を考慮した選択吸い込みによる能動制御を行い抵抗の軽減に成功した。 3年計画で遂行された本研究課題により、三次元境界層の乱流遷移メカニズムがほぼ解明されたといえる。すなわち、一次不安定性として定在形縦渦が発生、この渦により横流れ進行波が、そして変曲点型高周波二次不安定が誘起される。乱流遷移は常にこの高周波二次不安定によって行われる。したがって、乱流遷移を遅らせるためにはこの二次不安定の発生を抑制させることがポイントとなる。本研究の成果は、それぞれの縦渦の発生位置に沿って吸い込みスリットを設け、縦渦下部に集められた相対的に遅い流れを選択的に吸い込むことで有効に遷移を遅らせ、抵抗を軽減することに成功したことである。
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