研究課題/領域番号 |
11694148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026278)
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研究分担者 |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (00225666)
辻 博司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20127103)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | イオンビーム処理 / イオン注入 / ポリスチレン / ポリ乳酸 / ポリジメチルシロキサン / 神経細胞 / 選択的細胞接着 / 選択的神経突起伸展 / 負イオン注入 / シリコーン / 吸収性高分子 / 細胞接着特性 / ガイドチューブ / 正イオン注入 / 生体適合性 / 接触角 / 官能基 / 親水性 |
研究概要 |
1.イオンビーム処理高分子材料の物理学的評価と表面親水化 医用分野で利用されるポリスチレン、生体不活性なポリジメチルシロキサン、生体内で分解吸収されるポリ乳酸に負イオンや正イオンの注入処理を行い、その表面の親疎水性、導入酸素量、原子結合状態、表面形状を純水の接触角やX線光電子分光分析、原子間力顕微鏡により測定評価した。全般に、イオンビーム処理により表面は親水化すること、また、これは表面に導入された酸素原子が炭素と結合した有極性官能基に起因することが判った。ポリ乳酸では、数keVの低注入エネルギーでは疎水化処理となることも判明した。 2.イオンビーム処理高分子材料の生物学的評価と選択的細胞接着特性 イオンビーム処理高分子材料表面を用いて、神経成長因子応答性のある神経細胞(ラット副腎髄質褐色種細胞PC-12h)の細胞培養実験を行った。銀負イオン注入基材をはもとよりマンガン注入基材においても、有血清培地では注入領域にのみ神経細胞の接着が、また、無血清培地では注入量域にのみ神経突起の伸展がみられ、イオンビーム処理により選択的細胞接着と選択的神経突起伸展特性を高分子材料表面に付与できた 3.パターン化負イオンビーム表面処理と人為的神経回路網の形成 ポリスチレンディッシュやスピンコートしたポリスチレン薄膜に、数十μm幅のラインパターンを有するマスクを介してパターン化負イオンビーム処理を施し、神経細胞PC-12hを培養した。その結果、銀、銅、炭素など各種の負イオンを数十keVのエネルギーで注入することにより、数十μm幅の注入パターンにおいても神経細胞は選択的に接着し、かつ、神経突起もこの領域にのみ伸展させられることが判明した。これにより、人為的な神経回路を形成した。また、培地とは容量性の結合で結ばれた電極パッドに外部パルスを印加して細部培養を行うと、正電位能動電極に向かって神経突起が伸展する傾向が明らかとなった。
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