研究課題/領域番号 |
11694220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢野 友紀 九州大学, 農学部, 教授 (90038266)
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研究分担者 |
森友 忠昭 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20239677)
中尾 実樹 九州大学, 農学部, 助手 (50212080)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 魚類 / 海洋生物 / 遺伝子 / 急性期応答因子 / 補体 / ホヤ / 甲殻類 / Suppression Subtractive Hybridization |
研究概要 |
海洋生物の自然免疫機構の多様性と進化を解明するため、本研究では、魚類の急性期応答因子の同定と、無脊椎動物のカニおよび半索動物のホヤからの補体様因子のクローニングを、オレゴン州立大学のC.J.Bayne博士およびセントアンドリュース大学のV.J.Smith博士とともに試みた。LPSを投与したニジマス肝臓で、発現が特異的に上昇する遺伝子をSuppression Subtractive Hybirdization法によって探索したところ、リゾチーム、CRPなどの既知の急性期応答因子に加えて、新たなCタイプレクチンが見つかった。また、補体成分C1qに類似した未知のタンパク質も発見された。これらの詳細な発現解析をRT-PCRによって検討した。一方、ある種の無脊椎動物まで起源を辿ることができる補体について、カニやホヤでC3のcDNAを検索したところ、カニからはC3に明らかな相同性を示すcDNAはクローニングされなかったが、ホヤからはC3様の配列が見つかった。さらに、ホヤからはC3を活性化するプロテアーゼであるB因子に相同性を示すcDNAが見つかった。これらの結果は、補体は少なくとも後口動物では生体防御に重要な役割を果たしていることを示唆している。さらに、顎口類で備わっている特異的防御機構の成分である抗体について、コイからcDNAクローニングを試みたところ、補体活性化能や貪食促進作用において機能がことなる2種のIgMが見つかった。以上の結果から補体が広い範囲の海洋生物で生体防御因子として働いていること、および魚類では補体で認められているような多様性が抗体でも認められ、抗体の機能のレパートリーを広げていることが示唆された。
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