研究課題/領域番号 |
11694222
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (00158825)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ATPase / プロテアーゼ / 分子シャペロン / ストレス応答 / λファージ / Fプラスミドの分配 / 胞子形成 / タンパク質複合体 / コンピューターモデリング |
研究概要 |
AAAプロテアーゼFtsHの構造と細胞機能制御について国際共同研究を行った。AAAファミリーATPaseのATP加水分解機構について、変異FtsHの解析と構造モデリングの結果に基づいて「分子間触媒モデル」を提唱し、証明してきた。このモデルにおいて、AAA ATPaseは6量体のオリゴマーを形成し、ATP結合ポケットは2つのサブユニットの境界領域に形成され、両サブユニットの保存された残基がATPの加水分解に重要な役割を演じる。このモデルはさらに、ATP加水分解に伴う構造変化がリング状FtsH ATPaseの中央の穴のサイズを制御するという可能性を示唆した。これは、基質タンパク質のプロテアーゼドメインへの移行反応がこの穴を通して起こり、ATP加水分解によって制御されるというモデルに分子基盤を与えるものである。FtsHのATPaseドメインの結晶化に成功したが、十分な回折データを得られなかった。熱ショック応答機構におけるFtsHおよびDnaKシャペロン系の役割について検討した結果、DnaKシャペロン系はσ^<32>に結合して活性を制御すること、FtsHプロテアーゼによるσ^<32>の分解において、DnaKシャペロンがσ32に直接作用して、FtsHによる分解を受けやすい構造に変化させる可能性が強く示唆された。温度感受性ftsH変異株を新たに2株分離し、これらの変異がすべてC末端側の領域に局在することを明らかにした。また、温度感受性ftsH変異株の新しい表現型としてミニFプラスミドの分配阻害を見いだした。λファージの溶菌・溶原化機構やコリシン寛容性などFtsHプロテアーゼの細胞機能についても研究した。枯草菌FtsHプロテアーゼの基質の一つが胞子形成タンパク質SpoVMであることを明らかにし、SpoVMが膜に作用して細胞増殖に阻害効果を持つことを明らかにした。
|