配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
本研究では臨床患者材料と分子生物学的および細胞免疫学的手法を用いてヒトの炎症性腸疾患における内因性抗菌ペプチドの発現量および異常の有無について検索し,これを明らかにすることを目的とした。 平成13年度は以下の点を明らかにし,関連学会で報告するとともに現在投稿中となっている。 1)ヒトの正常小腸cryptにおいてもマウスと同様,LPSの刺激によって抗菌活性物質の放出がおこることを初めて明らかにした。 2)この抗菌活性物質は,in situ hybridization,および単離cryptを用いたRT-PCRの結果からヒトα-defensinであるHD-5およびHD-6であること,またその産生細胞はPaneth細胞であることを初めて明らかにした。 3)炎症性腸疾患患者における小腸cryptにおいても,正常と同様に抗菌活性物質の分泌が見られることが明らかになった。 4)潰瘍性大腸炎の大腸に見られるPaneth細胞は,小腸Paneth細胞と同様に抗菌活性物質の分泌を行っていることを初めて明らかにし,この抗菌活性物質がHD-5およびHD-6である可能性が示唆されている。 また,本研究に関連して 5)ヒト胃に見られる腸上皮化生粘膜のPaneth細胞も小腸と同様に抗菌活性物質の分泌を行っていることを初めて明らかにし,この物質はH, Pylori菌に対しても抗菌活性を示すこと,この物質はHD-5およびHD-6である可能性が同様に示唆されている。
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