研究課題/領域番号 |
11694252
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
酒井 哲郎 (2000) 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40153845)
神野 耕太郎 (1999) 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
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研究分担者 |
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80291342)
佐藤 容子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70251501)
酒井 哲郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40153845)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 複雑系 / 自律分散システム / 膜電位感受性色素 / 光学的計測法 / イメージング / 鶏胚 / ラット / 神経系 / 光学計測 / 複雑適合系 / ニューロン活動 / 試行間変動 / 内因性光学シグナル |
研究概要 |
中枢神経系、あるいはそれに類する神経系の動作機構は、単純な集約的制御システムとして作動としているだけでなく、ダイナミックな複雑系であり、自己組織化されたシステムであることを意味している。そこで、本協同研究は、そのような神経系の作動機構を"複雑適合性"という視点からアプローチすることを目的として実施され、次のような成果が得られた。1)延髄における迷走神経、舌咽神経応答のパターン形成に関する研究:鶏胚、ラット胎仔から摘出した脳幹を用いて、迷走神経や舌咽神経を電気的に刺激すると孤束核や運動神経核に対応する領域にニューロン応答が誘発される。そのニューロン応答の空間的・時間的パターンは刺激条件によって変化し、分散性があることが認められた。例えば、孤束核は、迷走神経や舌咽神経刺激の強さや頻度に応じて異なった空間的・時間的パターンを示した。これは、孤束核内の情報処理が集約的機構というよりも、むしろ分散的機構によって遂行されていることを示唆している。このことから、呼吸や循環系から入る入力に応じて、孤束核内では分散処理が行われ、それが、さらに呼吸中枢や循環中枢で分散処理されると考えられた。2)脊髄ニューロン回路の機能的形成:鶏胚脊髄から摘出したスライス標本で、脊髄神経を電気刺激することによってニューロン活動を光学的シグナルとして記録して、脊髄反射に関与する神経回路の機能的形成過程を明らかにすることに成功した。そこでも、ニューロン応答に分散性があることが示される。3)ラット体性感覚野におけるbarrel応答に関する研究:ラットのヒゲを機械的に刺激し、体性感覚野に誘発される内因性の光学的変化の計測によって、barrelのニューロン応答パターンの解析を行った。barrel応答のパターンは固定的なものでなく、同じ刺激条件に対してもtrialミtoミtrial variationsがみられ、ある範囲内で、非再現性現象とも云えるような結果が得られた。これは、barrcl応答には自由度があり、入力情報を分散処理している可能性を示すものである。
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