配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
日本側グループは,副互変異性体構造に対応する含フッ素安定型相似体(シュードローグ)の合成を試み,トリプトファン誘導体をセレクトフルオールと反応させることにより,アミン部が環に巻き込んだ二種のトリプトファン環状異性体のフッ素置換体を得た.しかし,インドレニン型の副互変異性中間体を単離するには至らなかった.他方,チロシン誘導体をセレクトフルオールと反応させると,目的とするフルオロジエノン体が約40%で得られた. カーク博士は,ドパ,ノルエピネフリンおよびその類似体の合成と生物試験,生体内重要イミダゾール化合物の合成,ならびにアスコールビン酸同族体の合成などを遂行した.それぞれの合成段階で新たな方法論の開発や生体有用物質としての利用の点で幾つかの知見を得た. ハウフェ教授は生物活性物質のフッ素置換類似体の合成研究を行い,その過程でγ-フルオロ-α-アミノ酸の合成,含フッ素マクロライドのエナンチオ選択的環開裂反応を達成した.またカーク博士と共に,フッ素化エピネフリン類の合成と立体の違いが齋す生物活性の違いについて検討した. フイリップス教授は3-フルオロオキシインドリルアラニン誘導体のジアステレオマーの酵素化学的方法による分離を試みた.しかし生成は,水解された化合物に由来するものであった. ボエチャット博士は,ハロゲン交換によって2-ブロモイミダゾールを得る新たな方法を開発した. なお本補助金により平成12年度は,カーク博士のボエチャト博士の訪問,柴田講師のハフフェ教授の訪問と研究成果の発表,竹内および研究補助者のハウフェ教授の訪問と国際学会での研究成果の発表などを達成し,その過程で相互の研究成果の報告と情報交換,今後の研究方針の打ち合わせ,更には新たな共同研究者の模索などを行った.
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