研究課題/領域番号 |
11694312
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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研究分担者 |
松田 達志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00286444)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ITAM / カルシウム / ERK / JNK / ZAP70 / CD2 / JNT / MAPKスーパーファミリー / T細胞受容体 / カルシウムイオンの動員 |
研究概要 |
T細胞活性化に必須の役割を果たすアミノ酸配列モチーフであるITAMを介するシグナル伝達系の生化学的解析を継続した。様々な変異を導入したITAMを細胞内に持つCD8キメラ分子を発現した細胞を作製し、抗CD8抗体を用いて刺激する方法でITAMの下流のシグナルを検討した。その結果、2ヶ所のYxxLのチロシンやロイシンの変異によってIL-2の遺伝子の活性化が見られなくなることが明らかになった。特に、N端側の変異体ではカルシウムの動員やERKの活性化をが全く見られなくなる。予期せぬことにどの変異体においてもJNKの活性化が野生型と同程度に観察され、JNKの活性化にはITAMを介さない径路が存在する可能性が考えられた。また、C端側のロイシンの変異体においてはJNKの活性化とともにERKの活性化が野生型と同程度に見られ、さらに弱いながらもカルシウムの動員が観察された。そこで、カルシウムイオノフオアの存在下にこの変異体を刺激したところ、野生型と同程度の転写活性化が観察された。この事実は、変異体におけるJNKの活性化が機能的であることをホすと共に、ITAM中の2つのYxxLモチーフが異なる役割を演ずることを意味する。T細胞はCD2分子を介したシグナルによっても活性化されるが、この際にITAMを持つ分子の発現が必須である。ZAP70欠損患者由来のT細胞株を用い、CD2分子を介したシグナル伝達におけるZAP70の関与を検討した。ZAP70欠損T細胞をCD2を介して刺激すると、ERKやJNKの活性化は正常に観察されるがカルシウムの動員が見られなかった。CD2刺激を与える際にカルシウムイオノフォアを共存させるとIL-2やIL-4の生産が誘導された。これらの結果から、CD2の下流においてZAP70はカルシウムの動員には必須であるがMAPキナーゼフ7ミリーの活性化には必要ないことが明らかになった。
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