研究課題/領域番号 |
11694318
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
金子 明 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60169563)
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研究分担者 |
塚原 高広 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90328378)
高木 正弘 (高木 正洋) 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
石崎 高志 熊本大学, 大学院・臨床薬学薬物治療講座, 教授 (50158747)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | マラリア / 熱帯熱マラリア / CYP2C19 / dihydrofolate reductase / cycloguanil / proguanil / 集団治療 / ヴァヌアツ / Chytochrome P450 / poor metabolizer / 太平洋島嶼 / 集団投薬 / マラリア根絶 / 三日熱マラリア / dihydrofolate reductace / サクログアニール / プログアニール |
研究概要 |
マラリア化学療法の治療効果を規定する因子としては原虫の薬剤耐性のみならず、患者の薬物代謝および感染免疫が重要である。我々は島嶼マラリアという環境下において、これらの因子が示す多型と抗マラリア剤proguanil(PG)の治療効果との関わりについてヴァヌアツをフィールドとして検討してきた。さらに島嶼において抗マラリア剤による集団治療を中心とした対策を進め、一定の環境下におけるマラリア根絶の方向性を示した。以下に研究内容の要約を示す。 A.Chytochrome P450の重要なisozaymeの一つであるCYP2C19に関するpoor metabolizer(PM)の割合は白人およびアフリカ人では3-6%、アジア人では13-23%と報告されていたが、我々はヴァヌアツのメラネシア人集団においてはPMの割合が70%と極めて高いことを見出した(Kaneko et al.Lancet 1997)。更に太平洋島嶼住民集団におけるmt-DNA変異と併せて検討した結果、CYP2C19-PM遺伝子型はポリネシアにおいても広く分布し、ニューギニアなどの西部メラネシアにおいてはより高い頻度かもしれないことを予測した(Kaneko et al.Pharmacogenetics 1999a)。このことは大多数の太平洋島嶼住民は、様々な臨床的に重要な薬剤代謝の程度が平均的な欧米人や日本人に比べて低いことを示唆し、極めて重要な医学的意義があると思われた。 B.葉酸拮抗剤PGはprodrugであり、CYP2C19による代謝産物cycloguanilの原虫DHFRに対する作用がPG治療効果の本命とされ「人間側CYP2C19および原虫側DHFRの遺伝的変異はそれぞれ負のPG治療効果に起因する。」というのが従来の仮説であった。我々はPG治療後マラリア患者のPG代謝の程度はCYP2C19に関する遺伝子型と強く相関することを示した(Kaneko et al.Pharmacogenetics 1999b)。しかし従来の仮説に反して、治療効果はCYP2C19遺伝子型とも原虫DHFR遺伝子型とも相関しなかった。この結果より我々はPG自体にも固有の抗マラリア作用があるとの対立仮説を提唱した(Kaneko et al.J Infect Dis 1999)。 C.アネイチュウム島においては短期間の集団治療と長期的な媒介蚊対策および住民参加によりマラリア患者発生がほぼゼロになり、その状態が長期間維持されていることを示し、隔絶された小島におけるマラリア根根の可性を示唆した(Kaneko et al.Lancet 2000)。熱帯熱マラリア
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