研究課題/領域番号 |
11694319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
田中 芳夫 東邦大学, 薬学部, 講師 (60188349)
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研究分担者 |
重信 弘毅 東邦大学, 薬学部, 教授 (50012654)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | マキシK_<Ca>チャネル / トロンボキサンA_2 / プロスタサイクリン / ブタ冠動脈 / モルモット大動脈 / cAMP / G-蛋白 |
研究概要 |
(1)本研究の最終目的である「生理活性物質によるマキシK_<Ca>チャネルの制御機構の分子機序の解明」を達成するための足がかりを固める目的で、動脈の収縮/弛緩を惹起するアラキドン酸代謝物であるトロンボキサンA_2/プロスタサイクリンによるマキシK_<Ca>チャネルの制御機構を検討した。 (2)ブタ冠動脈から単離した平滑筋細胞を利用したパッチクランプ実験(inside-out記録)により、トロンボキサンA_2の安定誘導体であるU46619がマキシK_<Ca>チャネル活性を有意に抑制することを見出した。 (3)U46619によるマキシK_<Ca>チャネルの抑制は、ホスホリパーゼCの活性化を介さず、G-蛋白依存性の機構が関与する可能性が示された。 (4)U46619はクローン化マキシK_<Ca>チャネル(α)に対しても抑制を示したことから、チャネル活性を直接抑制する可能性も示唆された。 (5)プロスタサイクリン安定誘導体であるベラプロストナトリウムによるモルモット大動脈標本の弛緩作用がイベリオトキシンにより強力に抑制されたことから、主としてマキシK^+チャネル活性化を介することが示された。 (6)ベラプロストナトリウムによるモルモット大動脈標本の弛緩はアデニル酸シクラーゼ阻害薬により抑制されず、cAMP非依存性の機構を介する可能性が示唆された。 (7)モルモット大動脈標本の単離平滑筋細胞を用いてマキシK^+チャネル活性を測定したところ、ベラプロストナトリウムがG-蛋白依存性にチャネル活性化を促進する可能性が示された。 (8)以上の結果から、トロンボキサンA_2/プロスタサイクリンによる血管の収縮/弛緩にマキシK^+チャネルが重要な役割を果たしていることが示唆された。既に、cAMPの定量実験に着手しており、生化学的見地からのアプローチも試みている段階である。
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