研究分担者 |
藤岡 稔大 福岡大学, 薬学部, 助教授 (80165357)
山岸 喬 北見工業大学, 大学院・工学部, 教授 (80271758)
岡部 光 福岡大学, 薬学部, 教授 (10078678)
長尾 常敦 福岡大学, 薬学部, 助手 (90180455)
LEE Kuo?Hsiung ノースカロライナ大学, 薬学部, 教授
|
研究概要 |
私共の,ベツリン酸をリード化合物とした化学的修飾とその抗HIV活性に関する検討により発見されたベツリン酸誘導体(DSB)は,EC_<50><O.00035μM,T.I.>20,000と極めて強い抗HIV活性を示し,臨床応用試験の候補化合物として現在検討が進められている。これまでの研究をさらに進めるため,以下の研究を行った。 1.DSB関連化合物の構造活性相関に関する研究の一環として,シラカバ樹皮に多量に含有されるベツリンを原料として,(1)DSBの3位のエステル結合をアミド結合に変換した化合物類の合成,(2)ベツリンの誘導化を行い,得られた化合物の抗HIV作用を検討した。(1)では,3α-diglycoryl-3-deoxybetulinicacidが最も良好な抗HIV活性(EC_<50>0.24μM,T.I.715)を示したが,いずれも対応するエステル化合物よりも低い抗HIV活性であった。(2)の検討では,3-O-(3',3'-Dimethylsuccinyl)-28-O-(2",2"-dimethylsuccinyl)-betulinが極めて強い抗HIV活性(EC_<50>0.00087μM,T.I.42,400)を示すことを明らかにした。これらの検討から,DSB関連化合物の3位はエステル結合が良いことが判明し,ベツリンの28位を他の置換基で修飾した化合物が抗HIV活性化合物として期待されることから今後検討を行っていく予定である。 2.弱い抗HIV活性を示すウルソール酸の誘導化を行った。3-O-diglycoryl-uroslic acidがEC_<50>0.31μM,T.I.155.5と比較的良好な抗HIV活性を示したが,3,3-dimethysucclnylを導入したDSBに対応する化合物には,活性の改善が認められなかった。
|