研究課題/領域番号 |
11694327
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
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研究分担者 |
三木 健司 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60268555)
金銅 英二 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50273636)
徳永 敦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70254521)
坪井 美行 日本大学, 歯学部, 助手 (50246906)
岩田 幸一 大阪大学, 歯学部, 助教授 (60160115)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ニューロパチックペイン / 脊髄 / 後根神経節 / 後索核 / 視床 / 神経損傷 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
ニューロパチックペインモデルにおける様々な因子の遺伝子発現の検索、その制御機構について分子生物学的解析を行い、同時にモデルの視床ニューロンの電気生理学的検索を行った。また、モデルの脊髄や後索核ニューロンの薬理学的特性を、様々なペプチドの受容体拮抗薬、興奮性や抑制性アミノ酸の受容体の拮抗薬などを用いて検索した。 ・CCIモデルの視床VPLの電気生理学的興奮性を検討すると、自発発射の増加、刺激後の後発射の増加、さらにevoked responseの亢進という変化が観察された。そして、後索を切断したラットで、同様の視床VPLの反応の変化を見ると、疼痛刺激に対する変化は正常ラットでは変化がなかったのに比べて、CCIラットでは大きく減弱していた。 ・ATF3(activating transcription factor-3)が、一次知覚ニューロンの核において、神経障害特異的に発現誘導を生じることを報告した。この結果は、DRGにおける新規の非常に有用な傷害マーカーを得たことになる。 ・末梢神経を障害すると、非侵害性感覚である触覚の中継基地の延髄後索核で、ニューロンの興奮性が非常に増加し、0.1mAという弱い刺激に対して、最初期遺伝子であるFos蛋白が増加する現象を詳細に解析した。そしてその発現に最も影響を与えるのは、GABAb受容体のアゴニストであるBaclofenであった。 ・ニューロパチックペインモデルの一つであるChungモデル(選択的脊髄神経絞扼モデル)に対して、BDNFの全身投与を続けると、Pin-prick testという反応のみが特徴的に変化を示した。この結果はBDNFのhigh-threshold mechanoceptorに対する効果と考えられる。 ・ATP受容体の一つであり知覚神経節に特異的に発現するP2X3受容体発現に対して、部分的末梢神経傷害を生じさせると、知覚神経節でP2X3mRNA発現が上昇することを発見した。そして傷害マーカーであるATF3との二重染色実験により、傷害ニューロンでは発現の低下、非傷害ニューロンで発現上昇することが明らかとなった。
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