研究課題/領域番号 |
11694332
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
井本 敬二 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00176512)
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研究分担者 |
若森 実 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (50222401)
中井 淳一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80237198)
森 泰生 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (80212265)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | カルシウムチャネル / 小脳失調症 / 変異マウス / TRPチャネル / 神経細胞死 / グルタミン酸受容体チャネル / ナトリウムチャネル / 小脳変性症 / ミュータントマウス / 脊髄小脳変性症 / ポリグルタミン病 / 非選択性カチオンチャネル / 容量性カルシウムチャネル |
研究概要 |
本研究では、中枢神経系細胞の局所イオンシグナリング動態を、変異型との比較から神経細胞に備わる情報統合機構を明らかにする事を目的とした。具体的には、電位依存性チャネルおよび受容体活性型カルシウム透過性カチオンチャネルに関する分子生物学的・電気生理学的研究を行い、カルシウムチャネル変異が小脳疾患を起こす機序の一部を明らかにし、また受容体活性型カルシウム透過性カチオンチャネルが、神経系ばかりではなく幅広く分布し、細胞の機能調節に関与している事を明らかにした。 小脳失調症に関しては、ヒト脊髄小脳変性症SCA6の変異を導入したカルシウムチャネルの検討から、CAG延長により、カルシウムの流入量の減少が示唆された。また遺伝子異常が不明であったローリングマウス・ナゴヤのP/Q型電位依存性カルシウムチャネル遺伝子の解析を行い、遺伝子変異を同定するとともに、変異から機能異常に至る変化を明らかにした。これらの結果は、カルシウムの流入阻害が正常な神経回路の発達と機能を損なう事を示したものである。 代謝型受容体の活性化に引き続き生じる細胞外からのカルシウム流入を担うイオンチャネルの一つであるTRPチャネルの分子生物学的解析を行った。cDNAクローニングを行い組換え発現系を用いて機能解析を行ったTRP7は、活性化刺激なしにでも電流を流しており、細胞内ストアからのCa2+放出を来さない程度の弱い刺激でも電流が惹起された。したがってTRP7は、容量性Ca2+電流を担うチャネルであるとの考え方はあてはまらず、むしろTRPは従来非選択性カチオンチャネルと称されてきたイオンチャネルと機能的に近い関係にあることが明らかとなった。TRPチャネルファミリーのイオンチャネルは、シナプス入力の強さによりある程度持続的な脱分極をおこし神経細胞の興奮性を高める働きをしていることが考えられる。
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