研究課題/領域番号 |
11695018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 宏恒 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (20112386)
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研究分担者 |
中西 久枝 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40207832)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 貧困緩和 / 地方分権 / ODA / マイクロファイナンス / インドネシア / フィリピン / 開発学 / 国際開発 / 市民社会 / NGO / 貧困対策 / ガバナンス / 社会開発 |
研究概要 |
初年度の1999年は研究参加者全員でフィリピンの東ミンドロ州の市と町を調査し、2000年度は全員でインドネシアのスレマン県を調査し、最終年の2001年度は10月22-23日の2日間、インドネシアのガジャマダ大学およびフィリピン大学ロスバニョス校の先生方5人を日本に招聘し、両大学から名古屋大学大学院国際開発研究科に留学して滞在している講師1人、助教授1人を交え、An International Seminar on the Local Government Capacity Building and Poverty Alleviation Policies within the Framework of Decentralization-The Case of the Philippines and Indonesiaと題して研究総括のための国際シンポジウムを行い、そのペーパー集を、名古屋大学大学院国際開発研究科の紀要『国際開発研究フォーラム』第20号に掲載し、このプロジェクト調査の特集号とした。 貧困層への政府政策については、国際機関の重点政策であり、各国の中央政府もその予算項目を確保しており、貧困緩和政策が中央・地方政府の重点政策として取り組まなければならない課題となっているという認識はある。しかしながら、具体的に地方でどの過程を貧困層と規定するかということについては、判断基準がフィリピンとインドネシアでは非常に違うこと、両国とも各種の貧困線基準が併存していること。近年の傾向は貧困を所得で決めるのではなく、社会的孤立とか、エンパワメントを発揮しようがない生活環境にあることをより重視するようになっている。一方、具体的な政策は、貧困線の議論とかなり無関係に行われている。社会政策一般が貧困緩和にもつながるという発想になっているケースが多く、貧困層をターゲット化できていないことがわかった。また、貧困層向け融資と限定されてきた政府基金も、返済の安全性を考えて貧困層でない承認などに貸しているケースが少なからずあった。 両国とも地方分権が進んできており、具体的貧困緩和は地方政府の責任に移りつつあると考えるとそれは違い、なお中央からの特別資金という形を取っていることが多い。政府の仕事は多様で、地方政府は貧困層に政策焦点を絞っているとはいえない草の根NGOは焦点を絞れているが、取り組みの規模が小さすぎるという問題点を抱える。途上国の目玉政策となった貧困緩和だが、実態は下に降りるほど内容が薄くなっている。地方政府やNGOがモデルをつくり、成功例を広げていくという方向と、貧困層を対象にしたマイクロファイナンスをさらに工夫してRefineしていくことが、今後の方向として見出される。
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