研究概要 |
平成11年度: ファイバマッハツェンダ干渉計を用いた温度と歪みの同時検出が可能な,低価格,簡単,実時間性の高いセンサを提案した。25kmの通信用分散シフトファイバにおける誘導ブリュアン散乱のスペクトラムと戻り光と導波光の入射光強度依存性,ファイバにパルス光を入射した時の後方散乱OTDR波形を測定した。 平成12年度: 後方散乱から干渉ノイズの主な原因となるレイリー散乱を除去し,温度と歪みの情報を含むブリュアン散乱を検出するために,ダブルパスファイバマッハツェンダー干渉計と,そのコントロール回路を作成し,30dB以上のレイリー散乱抑制比と2.5dB以下の挿入損失の干渉計特性を達成した。上記の干渉計と作成した広帯域,高利得アンプを利用して,自然ブリュアン散乱強度により,23kmの分散シフトファイバの末端に加えた温度変化を20mの距離分解能で検出することに成功した。次に、シングルパスファイバマッハツェンダー干渉計を作成し,2kmファイバ末端に加えた歪み変化を40mの距離分解能で検出した。 平成13年度: 分散シフトファイバ中の自然ブリュアン散乱強度の温度依存性を-27.2℃〜820℃までの温度範囲で調べた。温度が上がる時に,約450℃から600℃までの範囲でファイバコーテイグの温度による変形がファイバをマイクロベンドするため,ブリュアン散乱強度を大きく減衰してしまうが,コーテイグが燃えた後,-27.2℃から820℃までの温度範囲での温度依存性は線形となり,温度依存係数は約(0.25±0.04)%/℃であることを確認した。4kmファイバ末端に加える上記の温度変化を13mの距離分解能で測定できた。
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