研究分担者 |
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (30183057)
山川 隆 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20134520)
岩本 純明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40117479)
根本 圭介 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (40211461)
藤田 夏樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30190044)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
都市化,工業化の進展は,これまで米の代替食料として盛んに利用されてきたキャッサバやゾウコンニャクの栽培面積が著しく減少するなど,インドネシアの農業に大きな変化を引き起こした。現在,これらの作物以外にも多くの遺伝資源がインドネシアの伝統的作付体系から消失しつつあると考えられる。しかし,伝統的作付体系については経済的,生態的な側面からの研究は盛んに行われてきたが,その遺伝的多様性についてはほとんど研究されていない。現在,インドネシア政府はこれら経済的に重要とされなくなった作物の遺伝資源の収集,保護に乗り出し,またこれらの作物を工業用に利用しようと考えているが,遺伝的多様性を明らかにするまでには至っていない。本研究ではまず,キャッサバに注目し,農民が栽培しているキャッサバ品種の変遷を調査した。その結果,緑の革命後,米の生産が増加するとともに食味は優れるが収量の低い地方品種が農村から失われていったことが明らかになった。第2に,現在でもホームガーデンで広く栽培されているゾウコンニャクについて,その遺伝的多様性を明らかにしょうとした。形態的特徴に基づく主成分分析の結果,調査した系統は5つのグループに分類できること,またゾウコンニャクを採取した地点との関連からこれらのグループはさらに低地型と高地型の2つに分類できることが明らかになった。球茎の炭水化物含量にも系統間で大きな差があったが,上記のグループ間での差は明らかでなかった。ゾウコンニャクは現在,経済的な重要性は低いが,遮光下でも栽培可能なことから,将来はプランテーションの下で工業用の利用を目的とした栽培が行われる可能性があり,本研究で明らかになったグループ間の特性の違いが将来の利用に役立つ可能性がある。
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