研究分担者 |
水光 正仁 宮崎大学, 農学部, 教授 (00128357)
御手洗 正文 宮崎大学, 農学部, 教授 (60094083)
立山 晋 (立山 晉) 宮崎大学, 農学部, 教授 (90041003)
槐島 芳徳 (塊島 芳徳) 宮崎大学, 農学部, 講師 (10253808)
木下 統 宮崎大学, 農学部, 助手 (50264354)
|
研究概要 |
現代中国の発展は著しく,中国庶民の生活様式も急変し,食生活では高級品志向が生じてきた。本研究は劇的に変動する中国における農産物の生産・流通・消費の現状を探り,農業生産量の歩留まりの向上,食糧の安定化,品質向上に寄与するため,本研究を進めてきた。 本年度は本研究の最終年度であることから,北京および上海の大消費地において,高度に施設化された野菜団地の調査を行った。一団地のハウス施設では,到底わが国とは比較にならないほどの大規模であった。オランダ製のグリーンハウスを導入して,日本や欧州の国をターゲットにした輸出ものを栽培していた。調査時点のキュウリは,日本向けのものであったことから,その品質評価は,日本の選別規格で行なっているとの説明であった。この外国製ハウスは設備費が高くつくので,国産のハウスも併設して,国産ハウスの価格の低廉化をアピールしていた。 国内向けとして,ハウス生産の野菜類は発泡スチロール製トレイに数個ずつ入れて透明フィルムで包装して高品質野菜として高級マーケットでの販売や,化粧段ボール箱に良品を丁寧に詰めて贈答品としての取り扱いもされている等,品質を高めて差別化する流通システムも整えられつつあった。また,中国政府は,WTOに加盟したことから,食料品の安全性にも力を注ぐ様になり,残留農薬の検査体制を整える工作を思或している。本研究の中国側の研究者に,その課題の依頼がきている。これからの中国は農業への新たな技術導入が積極的に図られることから,その動向は注目に値する。 平成14年2月15日と3月25日には,宮崎大学において,中国側研究者4名を紹聘して,中国/日本の品質管理の現状分析,画像処理による農産物の品質評価・中国野菜作りと接木ロボット,食品中に含まれる抗変異原物質の新しい検索法,中国/日本のBSE事情と対策等の課題で公開シンポジュウムを開催し,広く研究の成果を公開した。これらの課題を研究成果報告書にまとめた. 日を追って国内外で農産物の品質と管理,検査の問題が話題を浴びてきていることから,本研究の成果がその一端を担えれば幸甚である.
|