研究課題/領域番号 |
11695088
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
関根 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60039922)
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研究分担者 |
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
藤井 徹 長崎大学, 医学部, 教授 (60136661)
高村 昇 長崎大学, 医学部, じょしゅ (30295068)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 放射性発癌 / 基底細胞癌 / 甲状腺がん / p53 / ret / PTC3 / β-catenin / 遠隔医療支援システム / 放射線発癌 / 甲状腺癌 / 皮膚法 / PTC |
研究概要 |
代表者らは、1995年よりセミパラチンスク核実験場周辺地区における予備調査を開始し、1998年には長崎大学とセミパラチンスク医科大学が姉妹校関係を締結し、本年度からは現地より大学院生を一名受け入れて、共同研究を開始した。1999年には同地区の甲状腺がんの手術標本を用いて、世界で初めて同地区における甲状腺がん症例におけるret/PTC3遺伝子変異を報告した(Lancet 354;1528-29,1999)。 また、核実験周辺住民の皮膚がんの増加に着目し、特に基底細胞癌について本邦症例との分子病理学的比較・検討を行った(セミパラチンクス24症例;日本15症例)。その結果 (1)セミパラチンクスの症例では、組織学的にslid typeのものが多く見られること。 (2)p53の過剰発現については、両方の群において高率(75-80%)にみられること。さらに (3)セミパラチンクスの症例では、非癌部の基底細胞層におけるp53の過剰発現が高頻度に見られること。 が明らかになった。このことは、セミパラチンクスにおける基底細胞癌のp53遺伝子異常が、より早期に起こっていることを示唆するものである。 さらに我々は、現在は、同地区における甲状腺がんの手術標本を用いて、特にβ-cateninの局在性、すなわち細胞質内への移行についての免疫病理学的検索を行っている。その結果、慢性甲状腺炎や腺腫様甲状腺腫に比して、乳頭がんでは細胞質内への移行が高頻度にみられることが明らかになった。我々は、セミパラチンクス医科大学附属病院への遠隔医療支援システムを平成11年8月に開始し、現在までに500例を越す症例の診断支援を行い、そのうち数例の甲状腺がんの診断を行った。今後、これらの症例についても同様の解析を行う予定である。
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