研究課題/領域番号 |
11710025
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
塩谷 純 東京国立文化財研究所, 美術部, 研究員 (90311159)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 菊池容斎 / 『前賢故実』 / 歴史画 / 勤王画家 / 「容斎画意」 / 日本画史 / 渡辺省亭 / 動王画家 / 日本画士 |
研究概要 |
*作品調査 米国・ポストン美術館にある菊池容斎の作品6点、および弟子の渡辺省亭の作品4点を調査した。うち菊池容斎の《地蔵・閻魔・脱衣婆図》《九相図》はそれぞれ弘化2年(1845)、嘉永元年(1848)の年記をもち、幕末期の容斎の画風を知る上で重要な作例。また明治4年(1871)の年記を有する渡辺省亭の《弁慶牛若》は現在確認される限りで省亭の最初期の画であり、のちに独自の花鳥画を開拓する省亭だが、この作品には歴史画家である師の作風が未だ色濃くみとめられる。 国内では個人が所蔵する菊池容斎の人物写生図を調査。前年度に調査を行った東京国立博物館所蔵の資料同様、容斎の描く歴史人物画が人体モデルの写生に基づいていることを裏付けるものであった。 *『前賢故実』の分析 菊池容斎が日本歴史上の賢人を絵画化した人物画伝『前賢故実』の人物図は、上記のように多く人体写生に基づいている。しかしながら中には過去の肖像画をほぼ踏襲したものもあり、その摘出を行いつつ『集古十種』等にみられる当時の古器旧物研究との関わりを考察した。 *データ化 東京国立文化財研究所が所蔵する筆記録「災後要録」抜記のデータ化を行った。これは戦前に菊池容斎作品を多く有していた東京・神田の所蔵家の手記を抜粋したものであり、東京都下にその作品の所在が集中していたがゆえに震災・戦争によって大半が失われてしまった今日、それらをうかがう資料として貴重である。
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