研究課題/領域番号 |
11710036
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
林 光緒 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00238130)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 短時間仮眠 / 覚醒レベル / 眠気 / 疲労 / 作業成績 / 睡眠慣性 / 睡眠 / 仮眠 / 脳波 |
研究概要 |
現代人の3人に1人は睡眠問題を抱えており、その結果、日中に耐え難い眠気や居眠りが発生している。眠気や居眠りによる産業事故や作業能率の低下は、甚大な被害を与えているが、この予防システムの開発は遅れている。そこで、本研究では、日中の覚醒レベルを維持するための方略の一つとして短時間仮眠法を開発した。平成11年度は、1日間の短期的効果を検討し、仮眠時間を10〜20分の短時間に抑えると、1)その後の夜間睡眠に影響することなく、2)眠気や疲労を抑え、3)作業成績を改善することができることを明らかにした。 平成12年度は、長期的効果を検討した。被験者は規則正しい生活習慣を持つ大学生10名で、実験前に小型活動計を2週間連続装着した。仮眠をとる仮眠条件と仮眠をとらない休憩条件に、1週間づつ参加し、月曜から金曜日までの連続5日間、各条件を1日1回づつ行った。12:00に昼食をとったのち、12:40から15分間の仮眠または休憩をとり、その後、認知課題を行った。その結果、仮眠直後には睡眠慣性が発生し、眠気が強く現れたが、日数の経過とともに仮眠直後の眠気は減少した。このことは、仮眠習慣の形成が仮眠直後の睡眠慣性を除去するのに効果的であることを示している。一方、日中の眠気が最も高い14:40、16:30においては、短時間仮眠をとると、眠気、疲労とも低下した。このことは、短時間仮眠による眠気や疲労低減効果が、3時間以上持続しでいたことを示している。また、仮眠条件では日数の経過とともに眠気がさらに減少したことから、仮眠習慣を形成することによってさらなる眠気軽減効果が得られることがわかった。 以上の結果から、短時間仮眠法を生活習慣の中に組み入れることは、仮眠直後に発生する睡眠慣性の除去や、午後の眠気の低減に効果的であり、日中の覚醒レベルを維持するための効果的な方法であることがわかった。
|