研究課題/領域番号 |
11710042
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
小山 幸子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40270483)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 単語認知 / 個人差 / 左右大脳半球機能差 / 聴覚野 / 脳磁場 / 再現性 / 漢字 / 言語 / 注意 / 脳 / ヒト / 生体磁気計測 / 大脳半球差 |
研究概要 |
高次脳機能に関する脳磁場データには大きな個人差が認められる。我々はすでに左大脳半球の聴覚野近傍が視覚的単語認知に関与していることを報告した。本年度はこの活動の個人差と個人内の再現性を検討した。本研究では正常被験者(右手利き17名)の両側の側頭部から誘発脳磁場を記録し、単語認知および単語の予期に関与する脳部位を探った。脳内の透磁率は比較的均一なため、2.3mm程度の精度で脳内の活動部位の推定が可能である。各試行、四字熟語を前半(S1)と後半(S2)に分けて提示し、その組み合わせが正しいTrue条件(例、二束-三文、110組)、誤っているFalse条件(例、二束-方正、110組)を設けた。被験者にはS1が提示されたら四字熟語全体を想起するように教示した。8名の被験者において、S1およびFalse S2に対して左大脳半球側に刺激提示後350-450msに明確な成分が認められた。この成分はTrueS2に対しては認められなかった。活動源推定を行った結果、シルビウス裂周辺に推定された。右側からの記録では被験者間で一貫した条件差は認められなかった。再現性の確認のため、各被験者から最低2回、脳磁場の記録を行った。左大脳半球側から記録された磁場(S1、False S2)は個人内で高い再現性を示した。また、推定された活動源も高い再現性を示した。したがって、脳磁場データに認められる個人差は注意や覚醒レベルといった一過性の状態の差ではなく、処理に関与する部位の差によるものと推察した。本結果は第12回国際生体磁気学会(ヘルシンキ、8月13-17日)のシンポジウム"Speech and Language"にて"Cortical magnetic response from the left superior temporal area associated with visual word recognition"と題して発表した。また、第15回生体磁気学会にて「視覚的単語認知における選択的注意効果:脳磁場による検討」(2000年 5月、つくば)と題する発表を行い若手ポスター賞を受賞した。
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