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沖縄における金銭の相互扶助システム「模合」に関する社会心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11710049
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関東北大学

研究代表者

安保 英勇  東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (50250650)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード模合 / 頼母子講 / 対人関係 / 沖縄
研究概要

沖縄県本部町の住人を対象にインタビューを行った。対象は25歳から60歳までの男女10名で、複数回にわたりインタビューを行った。また、対象者の内の一人が加入する模合「Kの会(仮称)」にも参加し、参与観察を重ねた。
対象者の全てが模合に加入しており、平均では2つ程度、多い者では現在6つの模合に参加している。模合の動機として最も強いものは親睦を強めることにある。「親睦」といっても様々である。「那覇からこっちに来た人が、こっちでも友達欲しいという訳よ。その子の友達がこっちにいるんだけど、『じゃぁ模合しようか』って始めたわけさ」(25歳女性)というように新たに交友関係を構築しようと企画される場合がある。また「僕は、親戚があちこちに散らばってるわけさ。だから、何かないとみんなと顔合わせ無いわけ。それじゃ寂しいってんで『模合しよか』ってなったんです。」(50歳男性)など、親戚関係を保持する事を意図して企画される場合がある。このほか親睦模合のもっと典型的なものは、中高の同級生・職場の同僚・自営業者の同業者同士が母体となるものである事が確認された。また、親睦模合でも親睦以外の機能も有する場合がある。「Kの会」は、退職教員や役場職員、自営業者などを主なメンバーとしているが、町の将来像を模索することを目的の一つとしており、住民参加による芝居の公演を企画した。この芝居は民話を題材に方言で行われ、一つの地域興しと考えることができよう。一方「Kの会」のメンバーの一人は、「僕は客商売だからね、こういうところに来て、顔を広げておくわけさ」と「仕事上のつきあいの場」と見なす面もある。
歴史的には、1970年頃までは地域ごとに比較的大きな金額の模合を行い、家の改修や新築費用に当てていた。近年そのような本来的な金融機能は著しく衰退し、上記のような多様な「親睦」の機能を有するように変容している事を確認した。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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