研究課題/領域番号 |
11710076
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鹿毛 雅治 慶應義塾大学, 教職課程センター, 助教授 (80245620)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 教師 / 意欲 / 動機づけ / 内発的動機づけ / 目標 |
研究概要 |
本研究では「教師」の意欲の構造とその統合的な発達について探索的に検討した。特に、教師の具体的な授業づくり(特に、「総合的な学習の時間」の実践化)のプロセスをフィールドワークによって把握することを通して、教師の仕事を支える意欲のあり方を探った。 先行研究(鹿毛,1998など)によると、意欲は、「仕事の内容」、「仕事の条件」、「仕事の人間関係」、「仕事に対する自己意識」という4つの要素の影響を受けるとされている。4つの学校(3小学校、1中学校)における参与観察、インタビューの結果、教師の意欲は、これらすべてが有機的、統合的に構造化されている際に高まるという点が示唆された。すなわち、「仕事の内容」としては主体的にカリキュラムを創ること、「仕事の条件」としては、その主体性を促す学校運営システムであること、「仕事の人間関係」としてはTTなどで教師の個性を互いに認めながら生産的な議論ができる職場であること、「仕事に対する自己意識」としては、予期することの不可能な子どもの成長のプロセスを自分の喜びとできることがそれぞれ重要な要素として見出された。逆に、教師に対して他律的に与えられるカリキュラム、トップダウンのシステム、教師の個性が互いに認められることの少ない教師集団、教師が子どもの成長のプロセスを固定的なものと捉えるとともに所与の目標達成が教師の自尊心の中核になっていることなどは、教師の教育実践の創造に対する意欲を低下させることなどがわかった。意欲の構造の4要素は決して独立ではなく、相互に調和のとれた結合をすることによって、教育実践を創造しようとする教師の意欲が確かなものになることが示されたといえるだろう。
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