研究課題/領域番号 |
11710082
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
福岡 欣治 静岡県立大学短期大学部, 講師 (80310556)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ソーシャル・サポート / 対人相互作用 / 対人関係 / 対人行動 / 生活ストレス / 感情・気分状態 / 健康 / 短期縦断的研究 |
研究概要 |
ソーシャル・サポートの概念は1970年代初頭の生活ストレス研究およびコミュニティ心理学を背景に生まれてきたが、近年は測定の容易さや指標の時間的な安定性といった主として操作的な理由から、むしろ対人関係に関する認知的な枠組みに近い個人内変数として把握される傾向が強くなっている。これはソーシャル・サポート研究が本来もっていた、人の健康と幸福という課題に対して他者と取り結ぶ対人関係・対人行動という個人にとって変容可能な側面からのアプローチの可能性を減じ、基礎的研究の価値を低めるものとなっている。 そこで本研究では、対人相互作用研究の枠組みを援用し、日常の出来事(潜在的ストレッサー)と関連する対人相互作用、出来事と相互作用による感情・気分の変動、さらには主観的な健康状態についても視野に入れた時系列的な分析をおこなうことで、サポートが効果を及ぼすメカニズムをより動的にとらえることを意図してきた。本年度はこの問題を扱うものとして先行研究をふまえた調査票を構成するとともに、小規模ながら計7つの調査を実施した。一連の分析を通して、日常のストレス状況では親しい友人との間で多くの人が何らかの支持的相互作用をおこなっており、かつその程度は気分状態に影響し得ること、とりわけストレス状況自体はネガティブな気分状態を助長するが、そこでとりかわされる支持的な相互作用は部分的にせよポジティブな気分を促進する効果をもつこと、ただしストレス状況を数多く体験することは状況あたりの支持的相互作用を減少させ気分状態を悪化させ得ることを示した。これらの研究成果の一部を静岡県立大学短期大学部研究紀要に論文として公表した。さらに詳細な分析結果を今後の学会等において発表していく予定であり、また引き続き調査規模を拡大した発展的研究も計画している。
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