• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

文化多元主義国家思想の源流としてのモンテスキュー研究

研究課題

研究課題/領域番号 11710092
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関成蹊大学

研究代表者

小井土 桂子 (中江 桂子)  成蹊大学, 文学部, 助教授 (80292655)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードモンテスキュー / 文化多元主義 / 啓蒙思想 / 品格 / 多元主義 / 相対主義 / 趣味
研究概要

近代社会の黎明期に生きたモンテスキューは、当時の思想潮流であった啓蒙思想家たちとはある面では一線を画す。特に注目するべきは、モンテスキューの思想が、20世紀の国家において露わになった地域主義や民族文化の共存というテーマに通じる、いわば文化的多元主義を先取りする社会構想の起源をなすことである。社会とは、理論と合理性のみによって構築されるのではなく、また、感情のみによって構築されるものでもない。社会とは合理性と感情の、きわめて個別的な融合体として構築されるのであり、それは国家に先立つとともに、決して普遍化されえないものでありつづける。このような認識のもとに、彼はいわゆる啓蒙後の近代国家、すなわち多少なりとも広義の普遍性への統合を強いる国家の、存立の困難を既に見抜いていた。彼は個別的に生きられる社会あるいは生活への配慮を政治の原点におく。この「配慮」こそ、モンテスキューがエスプリの活動する領域だと考えたものであり、根源的に異質で決して既知にはならないものとの共存を可能にする哲学であった。人間は、国家の統治という課題は暴力なくしては決して完全には成功しないことを了解しつつ、社会のなかにかろうじて達成されうる制度的合理性と感情的受容との均衡を、よりよく保とうと努力することしかできない。その困難な均衡点をさぐる知こそがエスプリという感性、あるいは「品格」であり、これはまた誰もが獲得できる類のものでもない。しかしそれこそ、自由に開かれた近代人が共存するために、誰に対しても求められる市民の資質なのだという、いわばパラドキシカルな状況を示唆していたのだ。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2021-11-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi