研究課題/領域番号 |
11710093
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
米村 千代 千葉大, 文学部, 講師 (90262063)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 「家」 / 歴史社会学 / 婚姻 / 家業経営体 |
研究概要 |
本研究の目的は、「家」を近代社会における階層再編過程と関連づけて論じることであり、特に初年度の課題は、明治大正期に時期を限り、それ以前からの変化を射程に含みながら身分や地位に関する変化を中心にみていくことであった。階層移動や固定化の契機としての結婚に着目し、今年度は千葉の醤油醸造業家における姻戚関係が家業経営体の運営とどのようにかかわっているのか、あるいはいないのか、そこに「家」に関してどのような思いが見いだされるのかを具体的に考察した。昭和前期ごろまで醤油業の経営と連動した婚姻、特に同族内、ないし同業者内婚が特徴的であることが明らかになった。ここにみられるのは階層の上昇志向性よりもむしろ固定化であり、以前より研究対象としてきた財閥等の婚姻を通じた上昇戦略とは異なるものである。この差異は、家系の連続や婚姻関係の形成が各経営体に持ち得た意味の違いの現れと捉えることができ、特に経営規模や業種による差異が大きいと考えられる。とりあげた醤油醸造業家は、大手であっても醤油業に特化した形で経営を運営していた。また各同業者間の関係は競合関係というよりもむしろ共存共栄の協調が重んじられている。空間的、および事業的にも拡大戦略をとっていった財閥の「家」との違いが姻戚関係にもあらわれていたといえよう。
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