研究概要 |
喫煙行動に関する資料・文献の収集および整理,データベース化について,前年度から継続して行った。収集した資料・文献の書名や出版年などをデータベース化し,一部については目次もデータ化した。目次については,今後もデータ化の作業を進め,内容の要約についてもデータ化の予定である。 また,雑誌・マンガ雑誌からの画像データベースについて,画像の説明がキーワード程度では有用でないため,より詳しいコメントを付け加えた。テレビドラマ等の映像に関しては,編集にかなりの時間を要したため,データベース化は当初の予定通りにはいかず,分析には至らなかった。この点は,今後の課題である。 これらの作業と平行して,大学生に対する聞き取り調査を実施した。その結果,単純に判断することは出来ないが,例えば,喫煙に関して,男性の場合は,直接的には友人の影響や周囲の大人,特に父親・兄の影響が大きかったといった回答がえられた。女性の場合も男性とそれほど異なるわけではないが,友人の影響が男性よりもより強く,喫煙について自分の意志で選択したことを強調するケースは,男性よりも多く見受けられた。 メディアの影響については,特に意識されているわけではないが,映画やテレビドラマ等でタバコが小道具として有効に使われていることについて,多くの学生が理解しており,男性性の強調や自立した強い女性のシンボルとして使われていること,マンガのストーリー中に出てくるタバコ・喫煙行動については,特定のイメージの男女を登場させるときには必ず出てくるなど,一定のパターン化された使われ方がされていることについて,指摘した学生もいた。 このように,喫煙イメージの形成および伝達に関して,親子や友人などの人間関係が大きな影響力をもっているだけではなく,特にステレオタイプ化されたイメージについては,メディアが一定の役割を果たしていることが指摘できる。
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