研究課題/領域番号 |
11710131
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
丸林 実千代 山形大学, 教育学部, 助教授 (20282197)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生涯学習 / 音楽のまちづくり / 音楽活動 / 成人学習 / 市民参加型 / 地域オペラ / 音楽学習 / 市民参加 / 生涯音楽学習 / 文化のまちづくり |
研究概要 |
本研究は、生涯学習社会を目指し、音楽を中心として「まちづくり」を推進している地域における市民の音楽学習の実態や課題を明らかにすることを目的とした。 特に市民参加型の音楽活動を対象とし、2年間にわたって茨城県日立市の「オペラのまちづくり」、そして東京都墨田区の「音楽都市構想」の市民参加型のオペラ活動について調査を行った。対象の2地域それぞれの「音楽のまちづくり」に対する行政や組織の企画・方針を明らかにするとともに、そこに参加する市民一人ひとりの音楽活動(音楽学習)にアプローチするために、参与観察、インタビュー調査、アンケート調査などを実施した。そして、その結果を成人学習の観点から検討し、生涯学習社会における市民の音楽学習について考察を行った。この考察においては、成人教育学者のP.クラントンの成人の学習概念をモデルとした。 2年間の研究の結果、「市民参加型音楽活動は市民の自主性の育成を目指して企画・実施されているにもかかわらず、実際にはそれとは反対に依存的な市民を形成してしまっている」という事実を指摘するに至った。そして、このように市民が市民参加型音楽事業において、自主性を獲得できない原因の一つとして、音楽活動の過程において市民が「自己決定性Self-directedness」を発揮する場面が欠落している、あるいは希薄であった、ということが考えられた。 このような市民の依存的な活動が繰り返されるだけの市民参加型音楽事業では、市民の音楽活動を生涯学習と見なすことは不可能であり、また真の「まちづくり」は実現されないであろう。生涯学習社会において、真の「音楽のまちづくり」を目指すためには、音楽活動において市民が自己決定性を発揮し、そして依存性を克服し、音楽によって主体性を獲得し自己確立していくことが根本的に考えられなければならないと考える。
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