研究課題/領域番号 |
11710141
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
木村 誠 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90234377)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ソーシャル・スキル / ものづくり / 技能教授法 / 協同作業 / 集団作業 / 技術教育 / 総合的な学習の時間 / EQ |
研究概要 |
平成12年度は、本研究の最終年度(後半年度)なので、本題である集団による「ものづくり」課題における子どもたちのソーシャル・スキル(社会的技能、社会的スキルと同義と考える)の技能教授法開発のまとめとして以下の研究活動に取り組んだ。 核家族化、少子化のなかで、「仲間遊び」の機会を奪われつつあり、テレビゲームをはじめとする個別・個室遊びにおいては、必ずしも適時に十分なソーシャル・スキルが獲得されるとはいえない。集団による、いわゆるチーム形態における協同での「ものづくり」活動のなかで、コミュニケーションの取り方、リーダーシップ・フォロワーシップの発揮、自分たちのアイデアのプレゼンテーション(発表・提示)といったソーシャル・スキルを獲得していくための教授法を実証的に考案・開発した。本年度は、小学校・中学校における「総合的な学習の時間」のなかでの集団ものづくり活動を調査対象の中心とした。基本的な道具使用技能とともに、集団の各メンバーの確定とリーダーシップの分析材料の収集と総合を行った。具体的には、授業場面をビデオカメラ等によって収録し、分析記録した。そして、子どもの行動パターンとその変容を分析するとともに、教師の社会的技能教授の過程にも着目した。 そこでは、企業内教育・訓練にみられるOJT(On the Job Training、現場実習)方式を適用することによって、グループ活動による協力体制をとりながら、ソーシャル・スキルを発揮することができることがわかった。また、口数の少ない子どもをあえてリーダーに任命することにより、積極的なフォロワーと首尾よい協同システムを作り上げることも考察された。家庭教育の影響の考察からは、子どもの性別の関わらず、子どもと父親との話し合いの頻度や類型時間がその子どもの発揮し得るソーシャル・スキルのレベルに影響していることも指摘された。さらに、ソーシャル・スキル研究では、先行研究として学ぶことに多いイギリス、アメリカの文献を収集し、教科「公民」の新設、Personal Social and Helth Educationの導入にみられるように、諸外国においても教育改革の一環として、ソーシャル・スキル教育を必修として位置づけ、児童・生徒の社会的発達を促進することが緊要な課題としているなどの論点の一斑を抽出することができた。
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