研究課題/領域番号 |
11710150
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 邦治 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (90274034)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 養護教諭・養護教諭の職務 / 学校経営 / 学校組織風土・組織文化 / 多忙感・多忙化 / ストレス・バーンアウト / スクールカウンセラー / 保健室経営 / 保健主事・保健主事兼務 / 養護教諭 / 保健室登校 / 保険主事 / 学校組織文化 |
研究概要 |
平成12年度の研究については、平成11年度のアンケート調査(「養護教諭の勤務構造とメンタル・ヘルスに関する調査」全国公立学校養護教諭3,300名対象)の量的分析結果をもとにしながら、主として、インタビュー調査や観察調査法を用いて、それらの実証的データを解釈していく上で有用な質的データの収集・分析に主眼をおいた。研究協力が得られた小・中・高校の数校を調査のフィールドとして、比較的長期にわたり継続的に訪問し、学校経営のダイナミズムの中での養護教諭・保健室理解に努めた。調査の方法・観点としては、つぎの4つを設定した。(1)養護教諭に対してインタビュー調査を実施し、職務や学校組織および子ども観、不登校問題等に関するさまざまな養護教諭の認知的データを集積した。また、(2)学校組織的な視角からの考察を行うために、養護教諭以外の学校組織成員にもインタビューと観察調査を行った。加えて、(3)児童・生徒が認知する養護教諭についても簡単なインタビューを行っている。(4)学校経営における保健室のダイナミズムを捉えるために、保健室でのできるだけ長時間にわたる観察を実施した。以上のように、基本的には学校経営全体の中での保健室および養護教諭のダイナミズムを捉えるために、学校フィールドワーク的な調査方法に心掛けた。 これらの調査から得られた多角的なデータを用いて、養護教諭への保健主事制度の導入やスクールカウンセラーの導入、教科保健担当、保健室登校などの養護教諭に対する新たな役割をめぐっての養護教諭の役割葛藤およびそのコンテクストを構成する学校組織の問題(組織特性、学校組織文化、支持的学校風土、勤務条件など)についてトライアンギュウレートな分析および考察を行っている。 1 研究発表としては、保健主事の養護教諭兼務制度導入の養護教諭にとってのメリット・ディメリットについて整理し、その是非の問題をめぐって視えてくる学校組織特性、学校組織文化、学校経営の問題、管理職のリーダーシップの問題、現保健主事との関係などの学校組織論的問題、および複数配置との関連、スクール・カウンセラーのインパクト等の制度的問題について明らかにしている。また、職務負担、モラール、ストレス、役割葛藤・曖昧性、多忙感との関連から質的・量的の双方向から分析し、近年の養護教諭をめぐる制度的改革の効果と問題点について指摘した。 2 教育経営学・教育法規に関する用語辞典において、保健室登校やスクールカウンセラー、養護教諭の職務、心の居場所などの養護教諭に関連する内容を執筆し、概念等を整理した。 3 保健室空間の創造と養護教諭の抱く保健室経営理念についての記述データとインタビュー・データおよび保健室フィールドワーク・データを集積し、データ間の関連について基礎的な統計処理レベルで素描した。
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