研究課題/領域番号 |
11710169
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
床呂 郁哉 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助手 (90272476)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | スールー諸島 / 東南アジア / 海域世界 / 歴史人類学 / フィリピン / 植民地化 / 人の移動 / 海洋民 |
研究概要 |
今回の研究では、スールー諸島及びその周辺地域において現在に至るまで国民国家の定めた国境を越えた人やモノの移動が極めて活発に展開されている状況を研究対象として扱った。こうした越境活動はフィリピン、インドネシア、マレーシアにまたがる海洋民の移住や通婚などを契機として形成された社会的ネットワークに依存し、またそれを補強する形で展開されている。今回の研究では、申請者が現在までの現地調査によって得た民族誌的資料の整理と分析を通じて、スールー諸島を中心とした海洋民の越境的な移動・交易ネットワークの構造を解明するとともに、そのネットワークがいかにして歴史的に形成され展開してきたのかという点について、歴史人類学的手法を併用しながら実証的に解明することを試みた。特に本研究では広義の歴史人類学的手法の活用により、主として20世紀に入りフィリピン及びスールー諸島海域世界を植民地化したアメリカ統治期における海洋民ネットワークの変容過程を跡づけるために、アメリカ国内に赴いてフィリピン植民地統治期に関した史料収集と分析を実施し、文字資(史)料に基づく歴史的接近と、民族誌的資料の両者を比較対照し検討することを通じて、多角的・複眼的な視点から海洋民ネットワークの動態を分析した。その詳しい研究成果の一部はすでに拙著『越境-スールー海域世界から』(岩波書店一九九九年)においても開示している。
|