研究課題/領域番号 |
11710267
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
福田 敬子 青山学院大学, 文学部, 助教授 (80276005)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 19世紀英米文学 / ジャーナリズム / イエロー・ジャーナリズム / メディア / 女性ジャーナリスト / 女性解放運動 / アフリカ系アメリカ人 / 奴隷制廃止運動 / ジャ-ナリズム / イエロ-・ジャ-ナリズム / 女性ジャ-ナリスト / 海外旅行ブ-ム / 旅行記 |
研究概要 |
19世紀以降、アメリカの新聞・雑誌がどのように読者の好みを操作し、作家に読者の存在をどのように意識させたかを見極めることが本研究の目的であった。昨年度からある程度目星はついてきたが、裏付けとなる資料が不十分であったため、今年度は主に資料の収集と整理に力を入れた。中でも、アメリカの大学図書館、公共図書館に直接足を運ぶことで、日本国内では入手困難な資料を見つけることができたのが大きな収穫であった。ニューヨークでは、19世紀から20世紀初頭にかけて、挿絵や派手な広告を掲載することで読者の関心を引き付け、世論を動かした新聞・雑誌を調査。現在の漫画のルーツを探るとともに、当時の移民問題、人種問題をめぐるメディアの扱い、読者の反応についても見識を得た。ボストンでは主に19世紀の女性解放運動関係の資料を収集したほか、19世紀にボストンでアフリカ系アメリカ人が発行した新聞・雑誌、また、奴隷制廃止運動や社会改革運動とボストン出身の文人たちとの関わりなどを調査。ワシントンD.C.の国会図書館では、19世紀の社会運動のさいに配布されたパンフレット類など、再版されていない貴重な資料を閲覧できた。帰国後も関連資料をマイクロフィルムで購入したが、いずれの調査においても、作家が公私ともにメディアの動向に敏感であったことに確信を持つことができた。 今年度だけでも膨大な量の資料が集まり、後半は資料の整理に追われている状態であったため、2000年度中に論文にまとめるところまで至らなかったが、現在準備を進めているので、近いうちに成果を発表することができる見込みである。 今後は、収集した資料をもとに当初の目標に向かって研究を進めるほか、新聞・雑誌に掲載された挿絵から"comic strip"を経て漫画へと発展した過程にも興味を持った関係上、文学だけではなくアメリカ文化全体とメディアとの関わりについても考えていきたい。
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