研究課題/領域番号 |
11720001
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
尾崎 一郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00233510)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | エスニックマイノリティ / 差別 / 法使用 / 法批判 / 権力 / 外国人 / 私人間関係 / 言語 |
研究概要 |
本年度も、昨年度に引き続き、実態調査の準備のための文献資料の収集と理論的検討に専念せざるを得なかった。 昨年度すでに、都市のエスニック・マイノリティをめぐる諸問題(外国人労働者差別問題、不法滞在者の子供の教育、住居問題、ヘイトクライムなど)に関する記述的な2次文献の収集・分析を超えて、法という道具が有するアンビヴァレンス、即ち、権力を制約すると同時に再生産するという性格についての根源的な理解のための、視野を拡張した分析に重点を移していたが、今年度も法と権力の関係に広く関わる研究文献の収集、分析を重点的に行った。フェミニズムやカルチュラル・スタディーズといった関連問題領域についても依然として継続して目配りをしており、なるべくエスニック・マイノリティ問題を超えた普遍性において法の持つ権力性および権力制約性を理解することに努めている。 昨年度得た「私人間関係と法との関わり」、「言語的コミュニケーションとしての法」という視点に関して今年度特に新しく得た知見としては、私人間の法的コミュニケーションにおいて用いられる様々な正当化のリーズニングが、両当事者同士の相互表象のカテゴリーに強く束縛されていること、また、それは、双方の発話のそれぞれの自閉化、自己強化の悪循環という帰結をもたらしていることが挙げられる。 以上をふまえ、そもそも「マイノリティ」という表象自体が法にとって、また私人間関係にとって持つ意味、機能を省察する必要性に思い至ったが、その理論化の具体的成果のアウトプットについては、今しばらく時間を必要とする。
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