研究課題/領域番号 |
11720011
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公法学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高橋 祐介 岡山大学, 法学部, 助教授 (50304291)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | パートナーシップ / 分配 / 組合課税 / 民法上の組合 / 所得配賦 |
研究概要 |
アメリカ内国歳入法典のパートナーシップ税制において、資本あるいは利益の払戻として実際に現金や資産が各パートナーに譲渡されることを分配という。現金ないし資産分配時には、それを受け取ったパートナーあるいはパートナーシップについては、原則として課税は生じない。 このようなスキームの例外として、743条(b)基準価格調整と、751条(b)による通常所得認識ルールが設けられている。前者は、各パートナーのパートナーシップ資産含み損害割当額を分配前後で同じくするため、分配されていないパートナーシップ資産の基準価格を、パートナーシップの選択により調整するものであり、後者は通常所得のキャピタルゲインへの転換を防止するため、各パートナーの(含み)通常所得割当額の減少額だけ、通常所得を認識するものである。しかし、両者ともその機能は不完全にしか働いていない。 743条(b)基準価格調整と751条(b)による通常所得認識ルールについては、その廃止も含め、多くの論者が意見を述べているが、これを完全に機能されるためには、各パートナーのパートナーシップ資産含み損益割当額に焦点を充てるべきである。 我が国の組合課税において、資産分配の際の課税結果は定かではないが、立法論的検討をするにあたっては、アメリカのパートナーシップ税制と同様、各組合員の組合資産含み損益に焦点を充て、この変動が生じる範囲で、損益を認識するということを出発点にすべきである。このような考え方は、譲渡所得課税の本質とも合致する。このような出発点から、制度の簡素化とそれに伴う譲渡所得課税からの逸脱を念頭に置いて、具体的な制度が構築されべきである。 なお、以上の成果は、本年5月頃までに学術雑誌において公表される予定(公表誌未定)である。
|