研究課題/領域番号 |
11720040
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
橋爪 隆 神戸大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (70251436)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 自救行為 / 競売入札妨害罪 / 権利行使を財産犯 / 違法性阻却 / 正当防衛 / 緊急避難 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の刑事違法性論、とりわけ違法性阻却事由に関連する理論的研究を踏まえつつ、最近、実務的に重要な問題となっている債権回収の現場における刑事法上の諸問題について、主としてわが国の判例・学説を鳥瞰的に分析しながら、その問題解決への方向付けについて理論的な検討を加えた。その検討作業においてはとりわけ、(1)競売入札手続に対する私人の不当な介入について、どの範囲で競売入札妨害罪(刑法96条の3)を適用するのが望ましいのか、(2)債権回収の場面で脅迫的言動がなされた場合、恐喝罪がいかなる要件のもと成立するのかといった問題点を中心に取り扱った。 まず前者の競売入札妨害罪の成立要件であるが、この犯罪は債権者や債務者個人を保護する犯罪類型ではなく、より一般的に、競売入札手続における公平な競争それ自体(競争原理)を保護する犯罪であるという結論に達した。それゆえ、犯罪の成立についても、偽計・威力といった行為類型の不法性や、債権者の財産的損害という観点とは別個に、競争の公正さが損なわれているかという視点から、その成立範囲を限定する必要があると考えるに至った。また、後者の「権利行使と恐喝」の問題については、現在の判例が権利の存否にかかわらず、原則的に恐喝罪の成立を認めている背景には、刑事司法は、基本的に私人の権利関係の存否の終局的判断に介入しないという、刑事司法と民事司法との役割分担の発想が潜在していることが確認された。 もっとも、これらの検討は、個別構成要件の成立要件に関する検討にとどまっており、別の犯罪構成要件との関連性や、違法性阻却原理との対応関係など、より大局的な視点からの検討がなお不十分であることは否めない。これらの点については、さらに研究を継続したいと考えている。
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