研究課題/領域番号 |
11720050
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
日暮 吉延 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (30253917)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 戦争犯罪 / 戦後日本 / 日本占領 / アメリカ / 東京裁判 / 国際裁判 |
研究概要 |
平成12年度は、前年度に引き続き、東京における集中的な資料調査を行うと同時に、研究成果の公表にむけて収集ずみ資料の実証的分析を実施した。特に本年度は、先行研究を踏まえつつ、アメリカの対日政策と対独政策の比較検討、アメリカの国内政治要因の検討、イギリス政府の政策の参照に力点を置いた。 こうした分析作業の結果、合衆国による対日戦犯裁判の終結過程が解明された。第一に、ドイツの事例に関しては、ニュルンベルク裁判から洩れた主要戦犯容疑者を国際裁判ではなく各国ごとの単独裁判にかける方式が米英仏ソ間で合意され、ニュルンベルク継続裁判に至った経緯(従来不分明であった)を今回新たに明らかにした。 第二に、この対独政策の枠組みと対日政策決定との関連性を検討しながら、米陸軍省、米国務省、GHQ、英連邦諸国の立場をそれぞれ明らかにした。そして東京裁判終了後のA級戦犯容疑者処理問題においてドイツと異なる処理方法が生じたのは、日本に関する固有の事情と要因によるものであったという知見を得た。 第三に、一九四八年一〇月の国家安全保障会議の対日政策「NSC-三/二」とアメリカの予算問題を分析した。その結果、BC級戦犯裁判を含めた対日戦犯裁判の終結を理解するには、従来いわれてきた冷戦の影響だけでなく、戦犯裁判が日本人に及ぼしうる心理的悪影響(反米意識を刺激すること)、対独政策の影響、アメリカの予算的制約といった多重的要因を踏まえる必要があることが確認された。 以上の研究成果は、史学会編『史学雑誌』においてレフェリー審査を経て発表された。
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