本研究課題に関連したデタント期のアジア・太平洋地域の国際関係に関する研究は、私がアメリカ留学時に書いた博士論文以降5〜6年にわたって暖めてきたテーマであったため、小さな論文は最低限に留め、著書を執筆することに重点を置いてきた。2001年2月現在、その著書は400字詰め原稿用紙500枚程度の原稿となっており、『危機の中の同盟-国際システムの変動と日米中トライアングル』というタイトルで近々出版社に持参する予定である。近い将来、著書の形で発表することによって本研究課題に一段落つけることを目指している。 また、1970年代の国際政治システムの変容からヒントを得て、これを現在の日米中関係に応用した論文、Japan's Normalization with Mainland China and North VietnamとThe End of the Gold-Dollar Standard and the US-Japan Relationshipを、明治大学社会科学研究所発行の雑誌に発表し、また、防衛庁委託の『北東アジアの地域協力の研究』という研究の中でアメリカから見た当該地域協力の現状に関して論文を執筆した。 これらの過程の中で、ワシントンDCと台北において海外調査を行い(この費用は自己負担)、一層の資料収集に努めた。また、その資料の分析と著書執筆の際の資料整理のために研究補助者を必要としたため、一定期間にわたって伊藤の研究室、または持ち帰りで作業をお願いした。概ね、本科学研究期間内での著書の執筆は完了しているが、まだ多少の改善の余地が残っている。できるだけ早く本研究費への対価を発表したいと考えている。
|