研究概要 |
本年度は、九月に単著の著作として『社会科学の人間学-自由主義のプロジェクト』を勁草書房から出版し、研究成果を世に問うことができた。本書は、自由主義の観点から社会制度構想およびその人格理念について論究したものである。 次に、学会では、10月における経済学史学大会において、「ハイエクの進化論に関する考察」を報告した。これは同大会における「進化論」のテーマ・セッションの中で、マーシャル、ヴェブレンにつづく第三報告として位置づけられた。その内容は、従来のハイエク研究における進化論の意義を批判しつつ、新たに「洗練された自生化主義」という観点からハイエクを解釈し再構成したものである。 論文としては、「ジョージ・ソロス-開かれた社会への戦略」『インターコミュニケーション』NTT出版、1999.11,2000 winter号.を発表した。 また、近刊として、尾近裕幸(国学院大学)との共編著『オーストリア学派の経済学』を予定しており、この本に所収されるいくつかの論文を執筆した。すなわち「ミーゼス」「市場プロセス」「方法論」「知識論」という四つの論文を手がけた。この他、終章にあたる論文「オーストリア学派とは何か」を現在執筆中である。 さらに英文論文として、"The Purpose and Significance of the Methodology of the Social Sciences in the Age of Post-Scientism",in Economic Journal of Hokkaido University,vol29,2000.7.(forthcoming).を執筆した。
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