研究課題/領域番号 |
11730065
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
高倉 聖子 (澤木 聖子) 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (40301824)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 多文化経営組織 / 言語コスト / 言語投資 / 国際人的資源管理 / アジアン・スタンダード / バイリンガル経営 / 会社文化の変容 / 人材育成 / 国際要員の人材育成 / 国際経営と英語 / 異文化間コミュニケーション / 異文化対応能力 / 情報共有と組織文化 / 経営能力と言語能力 / 企業内言語コスト / 人的資源管理と言語能力 |
研究概要 |
本調査研究は、アジアを中心とする海外進出日系企業、ならびに当該国の地元企業を多文化経営組織とみなし、経営のグローバル化が進むなかで、言語の問題を改めて捉え直す問題意識に出立して実施されたものである。国際経営学における言語や文化の問題は、学問的調査研究をもって言及された先行研究が皆無に等しい。これは、普段の企業行動において、英語を中心とする異言語での経営が、多国籍企業にとってあまりにも当たり前の現実的課題として直面していることにも起因しているが、実は、この言語の問題をクリアすることこそが、競争優位の源泉を人的資源に求めてきた日本企業の今後の国際競争力の獲得の是非を分ける重要な論点にもなるのである。 今年度の調査研究では、3種類の質問紙調査と、海外現地渡航調査を重ねることによって、多文化経営組織の人的資源管理、人材育成の問題を、言語投資策に焦点を当てて解明することに注力した。台湾、韓国に進出している日本企業、及び地元企業を対象に、それぞれの国際戦略における言語投資の状況を訪問調査によって詳細に検討した。質問紙は日本企業の人事部を対象に実施した、(1)語学研修に関する調査と、(2)経営者の英語に対する意識調査、(3)外資系企業の経営と英語に関する調査の3編を作成し、郵送法によって送付回収を行い、SPSSを用いた統計分析を実施した。それらの研究結果は、4団体の関連学会において口頭発表をし、ディスカッション・ペーパーや雑誌にも投稿発表した。 本調査研究での知見は、日本企業の場合、アジアの後発組国の企業に比して、英語のできる人材を育成するコストへの意識が総じて低いことが明らかになった。国際人的資源管理戦略に語学投資という意識が薄いことは、各国の優れた人材を活用するという多国籍企業本来の優位性を享受できないことを意味する。国際経営を行う日本企業に対して、今後も分析結果を成果報告としてまとめていきたいと思う。
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