研究課題/領域番号 |
11730080
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
福田 淳児 法政大学, 経営学部, 助教授 (50248275)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 知識の移転 / 階層的なアカウンタビリティ / 非階層的なアカウンタビリティ / 会計システムの設計 / 管理会計システム / 相互信頼関係 / 横断的なアカウンタビリティ |
研究概要 |
本研究では、知識の移転を「知識がそれを獲得・保有している個人、グループまたは組織単位から別の個人、グループまたは組織単位へと伝達されることによって、何らかの形で受け手側の実務の改善をもたらす状況である」と定義した。組織内での知識の移転は経営資源の効果的な利用にとって、また新たな知識の創造にとって重要な要因であるにもかかわらず、実際の組織では知識の移転は余りうまく行われてはいない。 本研究では知識の移転に影響を及ぼす要因を知識の送り手側の要因、知識の受け手側の要因、知識自体の特性、知識の移転が行われる組織的なコンテクストに分類し、整理した。そのうえで、会計システムの設計が組織内での知識の移転に影響を及ぼす可能性のいくつかについて検討した。 第1に、インタビュー調査に基づき、SEによって現場で獲得された知識の登録、共有を促進するために、課金制度を利用している企業のケースを取り上げ、そのメカニズムを明らかにした。 第2に、組織内でのアカウンタビリティのタイプが知識の移転に及ぼす影響を明らかにした。そこでは、階層的なアカウンタビリティと非階層的なアカウンタビリティがもたらす自己の意味合い、また他者との関係について検討することで、組織内での知識の移転が促進されるには非階層的なアカウンタビリティの生成が必要であることを指摘した。非階層的なアカウンタビリティの生成を促進するための要因として、対面的な接触の「場」の提供、価値観の共有、自律性の付与、コミュニケーションの質、会計システムの設計を取り上げ検討した。会計システムの設計ではある重電会社の事例を取り上げ、組織内部での競争と同時に、組織単位間での協力が促進されることが必要であることを指摘した。
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