研究課題/領域番号 |
11740083
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山崎 満 筑波大学, 数学系, 助教授 (30240732)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 超局所解析 / 関数解析 / 偏微分方程式 / ボルツマン方程式 / 流体力学 / 双曲型 / 保存則系 / 双曲線 |
研究概要 |
1.この研究の主目的は、ボルツマン方程式の拡張された速度離散モデルを調べることにあるが、最終目的は、より広範囲の流体力学の方程式および非線形双曲型保存則系を解明することにある。 2.(1)P.L.Lionsらによって、ボルツマン方程式を「解く」ことが流体力学の種々の方程式を「解く」ことにつながることが示されているので、この研究の最終目的は、これらの流体力学の方程式の離散モデルの解の様子を把握することにある。(2)この研究を進めていく中、P.Gerardによって導入された超局所欠損速度が、双曲型保存則型の一つであり、多孔質媒体方程式の論理的基礎でもあるp-systemをより一般にした方程式に適用できることが分かってきた。則ち、DiPernaがcompensated compactnessを用いて、p-systemが強双曲型であるという仮定の下に解の存在を示したが、compensated compactnessおよび(ボルツマン方程式のkey lemmaである)平均補題を包括する超局所欠損測度を用いれば、方程式に対する強双曲型の仮定を弱められないかということである。この研究は現在進行中である。また、Perthameらにより、非線形双曲型保存則系を単独方程式に変換するkinetic formulationsという解の一意性を導く上で有効な新たな手法が開発され、この応用については現在Perthame氏と共同研究中である。(3)ボルツマン方程式の拡張された速度離散モデルとは、非線形項として、標準的なモデルにある2次形式および線形拡散項の1次形式を共に考慮した方程式系のことをいう。この方程式の時間大域解に関する最良の結果を論文(3編)にまとめることができた。(4)強双曲性が1点で退化しているような保存則系について浅倉史興氏と共同研究を始めた。この方程式は応用上大変重要な意味を持つが、数値計算なしには現在のところ結果が得られていないので、数学的に現在解明中である。
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