研究課題/領域番号 |
11740097
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 確率解析 / Wiener積分 / random Schrodinger作用素 / 漸近挙動 / density of states / 磁場 / Pauli Hamiltonian / スペクトル / 熱方程式 / 準楕円性 / 無限次退化 / ^^-∂ーNeumann問題 / ^^-∂^bーLaplacian |
研究概要 |
Wiener積分は様々な微分方程式の解を非常に示唆に富んだ形で表現する。本研究の目的はこの解のWiener積分表示の性質を調べることにより確率解析学や微分方程式論及び関連する様々な分野に対する知見を与えることである。本年は定常でergodicな確率場を磁場としてもつPauli Hamiltonianの状態密度関数の漸近挙動について、その状態密度関数のLaplace変換のWiener積分表示に確率解析的方法と関数解析的方法を適用することにより幾つかの結果を得た。まず磁気momentが異常で磁場がGauss型確率場の場合にenergyのparameterが-∞に行くときの漸近挙動の主要項を決定した。この結果はvector potentialが影響する挙動の主要項を決めたことに特徴があり、既に知られているvector potentialが無いrandom Schrodinger作用素に対する結果やvector potentialとscalar potentialが独立な場合のrandomな磁場のあるSchrodinger作用素に対する結果を拡充するものである。randomなpauli Hamiltonianはvector potentialとscalar potentialが独立でない場合に相当し、この研究は本研究代表者が以前に行なったvector potentialとscalar potentialが独立でないがvector potentialが挙動の主要項に影響しない場合の研究の拡充にもなっている。次に磁気momentは正常で1点での磁場に対応する行列が正の確率で正則である場合に電荷のparameterが∞に行くときの漸近挙動の主要項を決定した。この主要項はenergyのparameterに依存せず、このことは電荷のparameterが大きくなるに従ってPauli Hamiltonianのスペクトルが0の近くに集中していくことを示している。またこの主要項は1点での磁場だけで決まっており、磁場が大きくなるに従って電子が束縛されていくことに関係する。従ってこの研究はPauli Hamiltonianの最小固有値に対する様々な研究や強磁場におけるSchrodinger作用素に対する様々な研究に関連している。
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