研究課題/領域番号 |
11740122
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (20237176)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 電波天文学 / 赤外線天文学 / 大質量星 / ミリ波分子分光学 / 星形成 / 星間分子雲 / 星間空間 |
研究概要 |
大質量原始星に付随するディスク(エンベロープ)や分子流の力学現象をミリ波分子分光観測を通して定量的に捉えることを目的とし、平成11年度〜12年度に渡って本研究を行った。研究の目的は、(1)まずデータの乏しい大質量原始星そのものの観測を行い基礎データを蓄積すること、(2)近年飛躍的に進展しつつある小質量原始星の研究と比較することにより星形成の一般的な特徴をより鮮明にすこと、また、(3)ディスクや分子流に含まれる角運動量の検出を試み、ディスクから分子流への角運動量輸送を検証すること、の3点であった。 研究期間内に、強力なミリ波源であるGH_2O 092.67+03.07(北の石炭袋)および赤外線点源IRAS22134+5834(HII領域S134)の2つの大質量原始星候補天体に対するミリ波分子分光観測を行った。観測には野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡およびミリ波干渉計を用いた。どちらの天体も主系列星に至った時点で約10太陽質量の星に成長することが予想される原始星であり、ここで得られたデータは、今後の大質量星形成の研究のための貴重な基礎データとなることが期待される。また、比較のため、太陽程度の質量をもつ小質量原始星B335についても同様のデータを取得した。 2つの大質量原始星それぞれについて、分子流およびエンベロープを検出することができた。これらの分子流やエンベロープは、小質量星の場合に比べ、1桁以上大きな質量やスケールを持っていることが分った。また、エンベロープの回転や収縮(インフォール)も検出された。近年綿密な研究が行われている小質量星の場合と比較すると、これら星形成の基本的なパラメータ(質量分布・回転速度・落下速度・星への質量降着率等)は、中心星の質量と強い相関関係があることが分った。平成13年3月現在、得られた一連の成果を学術論文にまとめつつある。
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